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"MR." PRESIDENT 前編 [つれづれ]

アメリカ合衆国で新大統領が誕生した。

国会議事堂前での就任式に立ち会いたいと
ワシントン記念塔広場に詰め掛けた大群衆の様子を見て
45年前の「ワシントン大行進」と、有名な「I Have a dream」を演説する
キング牧師の姿をオーバーラップさせた方も多いのではと思います。

もちろん、私にとっても生前の出来事ではあるけれど =ワシントン大行進
その映像を幼い頃から何度も見る機会があったせいか
何とも言えない感情と共に涙が溢れて止まらなかった。

どうしても忘れられない、ぬぐい去る事の出来ない老女と孫娘の顔がある。

1982年5月、アメリカ合衆国ジョージア州 アトランタ郊外にある
タッカーという小さな古い町でスーパーへ家族と行った時だった。

父の赴任に伴い日本から越して来たばかりの私は
当時の日本には未だ無かった大きくて広い店舗と(現在のイオンやダイエー規模)
カート型の買い物カゴ、かざすだけで料金を読み込むバーコードリーダー
よって客が自分で買い物・荷物を詰めなくちゃいけないシステムに愕くよりも
(日本は未だ値段を手打ちだったせいか、レジ台に2人配置で1人が荷物を詰めてくれた)
店に入った瞬間から周りの他の客より受けた白い冷たい視線・・・
固唾を呑むように着いて廻る張り付いた視線に切り刻まれた恐怖の方が大きかった。
そして出会い頭にぶつかりそうになった同年代の女の子が
凄い侮蔑の表情を浮かべると共に気持ち悪いモノに、怖いモノに出会ったかのように
後ろに居た老女(たぶん祖母)の背中に逃げ込み、その老女が怖い顔をしながら
私から孫娘を守るように抱きかかえて慌てて通りすぎたのだった。

タッカーは当時、古い閑静な住宅街で、白人街だったのである。
アフリカ系アメリカ人の多くはダウンタウン近郊に居住し
その居住区拡大(ある意味でスラム化)、そして
ラテン系、アジア系の人口が増えるのは80年代後半のこと。

勿論、幼かった私がその白い冷たい視線と少女の表情、
祖母の行動の意味を理解できるまで暫く時間を要することになる。

                         その2へ 続く。 (必ず続きます!)
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